こんばんは。
またまた、夏の展覧会の鑑賞報告ですが、またまた、9月の秋分の日で終わってしまう展覧会です。
「ジュリアン・オピー展」
東京オペラシティ アートギャラリー。初めて行きました。ジュリアン・オピー、初めて知りました。初物尽くしで興味津々、行ってきました。
イギリス現代アートの巨匠がくりだす究極に省略された世界。
今回も、まとまりのない内容ですが、どのような展覧会か、ご紹介してみたいと思います。しばし、お付き合いを。それでは、さっそく、展覧会へ!
※ 以下の記述はジュリアン・オピー展のパンフレット、Web上の解説等を参考に記述しています。また作品の写真は会場で撮影可能な作品を撮りました。
[目次]
I.展覧会概要
(1) 展覧会:ジュリアン・オピー展
ジュリアン・オピー(Julian Opie)
1958年イギリス・ロンドン生まれでオックスフォード育ち。現在61歳みたいです。(誕生日は確認できず)
作品は点と線、最小限に省略化された表現で人物、風景を描き出し、その個性を描き分けます。東京オリンピック時に開発されたピクトグラム(絵文字)を髣髴(ほうふつ)とさせる作品は、静止画もあり、立体もあり、動画もありと多岐にわたります。
また、著名な日本の浮世絵のコレクターでもあります。そのためか、太い輪郭線は浮世絵からの影響も感じさせます。
1980年代のイギリスをはじめとするヨーロッパのアートシーンで頭角を表し、その作品は世界の主要な美術館へと収蔵されていったジュリアン・オピー。日本では2008年水戸芸術館現代美術ギャラリー以来11年ぶりの大型個展です。
(2) 会場:東京オペラシティー アートギャラリー(初台)
※ 京王新線・初台駅から5分。初台駅と東京オペラシティは直結しています。なお、この日は、損保ジャパンビルの東郷青児記念美術館に「レオ・レオーニ展」を見に行っていましたので、ここから都庁の横を抜けて歩いて行きました。30分くらいですかね。とても暑かったので、美術館の涼しさがとても気持ち良かったです。帰りは初台から帰りました。
ビルの中には、こんなオブジェもあります。ビルの中に一人ポツンと立っているようで、少し不気味でもありましたが・・・(^^;)
アントニー・ゴームリー「トゥー・タイムズII(Two Times II)」(1995年)
(3) 会期・開館時間・展示替等
2019/7/10(水)~2019/9/23(月・祝)
・月曜休館です。(9/23は祝日なので開館です)
・開館時間は11:00~19:00。入館は30分前まで。
・収蔵品展(池田良二の仕事、末松由華利展)同時開催。
(4) 料金
・大人1,200円、大・高生800円、中学生以下無料
・同時開催中の展示も併せて見られます。
(5) 訪問時間と混雑状況
8/11(日) 17:30頃、鑑賞時間は約50分。
・比較的広い会場で、ゆっくり見られます。
(6) 美術館メモ
・ミュージアムショップがあります。
・図録もあります。(確か5,000円以上とけっこう高額でした)
(7) 行くきっかけ(情報源等)
で紹介されているのを見て、初めて知りました。面白そうだと思って見に行きました。
II. 展覧会所感
(1) 個人的な所感
ジュリアン・オピーの作品は、まさに点と線、そして平面で作られた省略の世界です。省略された世界は、記号化され、それそのものが強く意味を発しているかのようです。そして、その中に入り込むと、なんだか現実よりも現実的な世界に入り込んだかのような錯覚をおぼえます。それは、私たちが世界を省略化することで抽象化してとらえているからなのかもしれません。そんな認識に対する問いかけなのかもしれません。
本展は壁いっぱいの大型作品から等身大の作品といろいろなサイズの作品があります。それも、われわれが認識している世界を相対化して、とらえなおそうとする試みの一つなのでしょう。
それでは、 省略化して再構築された世界に入ってみましょう。
(2) 展覧会の構成と気になる作品
展覧会場に入ると大型作品、等身大の作品、映像作品と人を対象とした作品が並びます。会場内はこんな感じです
点と線と平面で描かれた壁の人々。究極に省略化された中で、それぞれの人の「個性」が際立ちます。
こちらは床から天井まである大型作品。590cm × 671cm
まるで、ガリバーの住む都市に来たかのようです。
映像作品。それぞれの人の絵が走り去って流れていきます。さながら都会の朝の通勤ラッシュの勢いでしょうか。
続けて、次の部屋では・・・
牧場にいるような動物たちも、水辺の風景も単純化されて存在します。
人の背の高さぐらいのビルのオブジェ。ビルのガラスにモザイクのように映りこむビルが、よりリアリティを感じさせます。今度は私たちがガリバーになったかのようです。
二人の女性。それぞれにその女性の個性が強く感じられます。あたかもそこに本当の人が立っているかのような存在感。
窓側の通路で展示されている魚が動く作品。錦鯉の池をのぞき込んでいるかのような気になります。
そして、その動く姿が窓に映ると、もう外の空間を魚たちが自由に泳いでいるようです。(これを意図したかは、分かりませんが、そう感じました)
(3) さいごに
作品数は、それほど多くはないのですが、普段感じることのできない、少し不思議な感覚をおぼえる展覧会です。現代美術の挑戦する新しい世界のとらえ方を感じてみるのはいかがでしょう。私たちの認識のスタート地点に立てるかもしれません。(個人的な感覚の話しですが・・・)
それでは、最後にリンクです。
9月の展覧会情報。
同じく9/23までの開催。
ということで、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ショートレポートのような内容ですが、今回の報告は以上です。
ではでは。