こんばんは。今日は、ついに、我が西武ライオンズにマジック点灯。とてもうれしいですが、マジック点灯後、ソフトバンクに巻き返されて優勝できなかった年があります。それを考えると最後まで、気は抜けません。優勝を信じてます。
と、野球とは全く関係ないのですが、また、美術展に行ってきましたので、報告です。
[目次]
I.展覧会概要
(1)展覧会名称
「野間コレクションの白眉 横山大観と再興院展の仲間たち 展」
(パンフレット表)
(パンフレット裏)
(2) 場所
講談社野間記念館
椿山荘横の小さな美術館です。前回は目白駅から20分弱歩いて行きました。今回は実家に車で帰っていたこともあり、近くの駐車場に停めました。停めたところは25分200円でした。車の場合、近辺の駐車場は20分200円、60分400円と料金/時間がまちまちですので、事前にナビアプリ等で確認して行かれた方が良いかと思います。結構、細い路地に入る駐車場もありますので、注意です。
電車では有楽町線江戸川橋、護国寺から10分くらい。東西線早稲田からも15分くらいで歩けますが、どこからも、行きは結構な上り坂を通ります。目白からの場合、道は平たんです。新宿や目白から椿山荘近くのバス停で降りるのが、一番、楽かもしれません。
(3) 会期
2018/9/8(土)~10/21(日) ※ 月・火曜日休館です。祝日の場合、水曜以降に振替えです。
(4) 開館時間
10:00〜17:00 ※ 入館は16:30までです。ナイトミュージアムはありません。
(5) 訪問時間
9/17(月・祝) 15:40頃 鑑賞時間は45分程度です。
(6) 料金
大人500円、学生300円、小学生以下無料
※ 500円で入ってます。なお、スタンプカードがあり、4回来館してハンコを押すと1回無料になります。有効期限はないですので、お得です。
(7) 混雑状況
来館者は7・8人いましたが、混んではいません。ゆっくり見られます。
(8) 写真撮影
NGです。
(9) ミュージアムショップ
絵ハガキ3枚購入です。一枚100円(税込み)です。
クレジットカード利用は多分 NG。
このほか、クリアファイルや一筆箋などもあります。展覧会の図録的なものはなかったです。
(10) 美術館メモ
4部屋で構成されたこじんまりした美術館です。講談社だからこその、雑誌の表紙・巻頭で利用された絵などのコレクションが展示されています。
(11) 行くきっかけ
前回展覧会で訪問したとき、今回の展覧会があることを知りました。
yorocon.hatenablog.com前回、美術館の展示内容、規模など、とても見やすくて、良かったので、今回も行ってみることにしました。
II. 展覧会所感
(1) 個人的な所感
今年は横山大観生誕150年なので、私も行きましたが東京国立近代美術館の展覧会など、特に大観の絵を見る機会が多いように思います。今回は野間コレクションから大観と日本美術院再興のときの仲間となる画家の絵が展示されています。
大観の作品は16点程。加えて、大観直筆の手紙や、大観が手掛けた「大日本史」(昭和3年10月30日発行)の装丁、生々流転の縮図複製等が展示されています。
本展は大観作品の展示数は必ずしも多くないのですが、大きな屏風絵、掛け軸の絵等、バリエーションもありますので、それなりに大観を堪能することができると思います。
(2) 展覧会の構成と気になる作品
こちらの美術館は4室なので、4部構成です。最初の2室は大観中心の展示で大作もあります。後の2室は、同時代の画家の作品が中心で、比較的小品(色紙など)が多く展示されています。この構成は、前回の展覧会のときも同じでした。
I. 横山大観の佳作(第1室)
最初コーナーは大観の作品&直筆の手紙や装丁などです。
11点の絵画作品がありますが、この部屋では富士山は1点のみです。水墨等ありますが、この部屋では六曲一双の「千与四郎」が、まず、目に入ります。パンフレット裏の下の方の絵がそれです。(写真は光が反射して見にくいですが)
「千与四郎」は千利休の幼少の頃の名前。男の子はチケット・パンフの表にも印刷されていますが、屏風向かって左側の男の子が「千与四郎」です。庭石や木の幹などにたらしこみの技法が利用されていて、繊細なグラデーションの表現があったり、緑の葉の中に赤く色づいた葉がまぎれることで大胆の色の対比が印象的である等、素晴らしい作品だと思いますが・・・
大観の描く「千与四郎」の顔などは、私はあんまり好きな感じではありません。ちょっと顔がアンバランスで、目の黒目もちぐはぐな感じを受けます。(みなさん、いかがでしょう)大観は人の顔はやっぱり苦手だと思います、個人的に。
なお、ここのエリアでは以下の絵ハガキを購入しました。
(「飛泉」 昭和3年(1928) 飛泉=滝です。構図は滝をアップにしていますが、滝が岩を流れ、川に流れ込む感じ等、ダイナミックさのある作品だと思いました)
(大正大震災火災 大正12年(1923) 「大正大震災大火災」の表紙原画とのこと。炎が建物・町を勢いよく包み込む感じが、伝わってきます)
II 大観と富士(第2室)
大観といえば、やはり富士山のイメージが強いですが、この部屋に集結しています。ダイナミックな構成の絵、色の対比等で鮮烈な印象を与える絵、大胆にデザイン化された絵等、いろいろなタイプの絵があります。この部屋ではそれらの絵を鑑賞することができます。パンフの裏面左上の「霊峰」(大正10年(1921)頃)は、水墨画ですが、手前の樹木のかすんだ感じが、遥か彼方の白く輪郭のはっきりした富士を上手く引き立てていると思います。また、「富士・三保図」(明治43年(1910))は、六曲一双の屏風で向かって右に青が鮮やかな富士、左に三保の松が連なる構成となっています。
そして、ここでは以下の絵の絵ハガキを購入しました。
(「不盡山、羽衣、三保」(大正5・6年(1916)) こちらは三保の松原に天女が下りるお話が題材です。それぞれが一幅の掛け軸になっています。最初から3つの掛け軸を1セットにしようと考えられた訳ではないみたいですが、最初から意図して描かれたような自然な絵のつながりがあると思います。こちらの富士は鋭角にデフォルメされて描かれていますが、大観の初期の富士の絵の特徴とのことでした。この天女の顔は、先ほど悪く書いた(^^;)「千与四郎」のようには、アンバランスではなく、大観の絵では良い出来だと思います)
III 横山大観と再興院の仲間たち(第3室)
こちらの部屋は大観の絵もありますが、仲間たちの絵が中心的に配置されています。
前室にも橋本雅邦、下村観山の絵がありますが、ここでは大観とともに竹内栖鳳、上村松園、川合玉堂、小室翠雲が描いたに講談社の記念品の漆器の原画が展示されていたり、キングに掲載した絵の原画として安田靫彦、小林古径、速水御舟の作品が展示されています。この辺が、講談社の野間コレクションならではの作品群だと思います。
IV 院展作家たちの「十二ヵ月図」(第4室)
最後の部屋では、院展作家が十二ヵ月を題材に色紙に描いた作品が並びます。
11人の画家が、それぞれに十二ヵ月の風物詩や情景を描いた作品群で、それぞれが捉える季節・月のイメージが比較でき、おもしろい展示だと思います。個人的には酒井三良の絵に出てくる風景と人物(特に人物の表情)がほんわかした感じで好きでした。
(3) 最後に
この辺は椿山荘、細川家庭園等、散策にも適したところが多くあります。緑も多いですし、坂が多いのが少し難ですが、散策ついでに、こちらの美術館にも是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか?第2室の富士など、ゆっくり鑑賞できて、良いと思います。
それでは、また、次の美術展まで。
(おかえり)
・・・ただいま。ではでは。