よろこんで!**してみました。

アラフィフ男子が、何気ない日常生活で楽しいと思うことを、つれづれに書く雑記ブログ。美術・落語・スポーツ観戦・グルメ・お酒に旅行等々。たまには、なにか語ることもあるかも・・・

美術展:「京都・醍醐寺 真言密教の宇宙」@サントリー美術館(六本木)に行ってきました。

こんばんは。ブログの記事アップは久々な感じがします。期首は、いろいろと飲み事も多く、飲んでばっかりだったような・・・(オジさんらしく、言い訳してみました。結局、好きで飲んでるだけですけどね)

で、もう、だいぶ前ですが、ボナール展に行った後で、この展覧会も行きましたので、報告です。(先月末の台風が来た日です・・・)

 

[目次] 

 

I.展覧会概要

(1)展覧会名称

「京都・醍醐寺 真言密教の宇宙」展

www.suntory.co.jp

醍醐寺は京都・山科にある847年(貞観16)創建の真言宗・醍醐派の総本山のお寺です。私は行ったことなかったと思います。ちょっと、京都駅から離れているので。行ってみたいお寺ではあります。世界遺産にも登録され、多数の国宝・重文を有しています。

醍醐寺といえば、何と言っても1598年(慶長3)の太閤秀吉「醍醐の花見」。桜が有名なところでもあります。秀吉最期の花見の場所です。

世界遺産 京都 醍醐寺

 

密教は、弘法大師こと空海が日本に伝えた真言密教伝教大師こと最澄が伝えた天台密教(比叡山延暦寺等)があります。根本の仏陀大日如来と呼び、本尊としています。加持祈祷(かじきとう)というお祈りや儀式を重視します。また、仏教では解かなかった不動明王などの明王等も大日如来の現れとみています。加持祈祷(特に除災・招福などを目的とした加持祈祷の方法である修法(しゅほう))が重視されているので、本尊等の彫刻・仏画・仏具などの仏教美術の品々が数多く残されています。

(密教(普通の仏教は顕教)、加持祈祷、修法 等々。日本史受験予定の受験生諸君!試験に出まーす!です。ちょっと懐かしい)

 

(2) 場所

サントリー美術館

 サントリー美術館

 

六本木駅からすぐの東京ミッドタウンのガレリア3階にあります。

日本画や陶磁器等の日本美術を中心とした展示が多い美術館だと思います。日本美術以外ですと、エーミル・ガレ(ガラス)やセーブル(陶磁器)の展覧会に来ました。

入口はこんな感じです。

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(3) 会期

2018/09/19(水)~11/11(日)

※ 火曜日休館 ただし11/6(火)は20時まで開館。

あと、期間中、結構展示替えがあるので、Web等で展示品は確認した方がよさそうです。

 

(4) 開館時間

10:00〜18:00

※ ナイトミュージアムをやっている日もあったようですが、この後は11/6のみのようです。(10/10時点)

 

(5) 訪問時間

9/30(日) 14:15頃 鑑賞時間は50分程度です。


(6) 料金

大人1,500円、大高生1,000円、中学生以下無料。カード利用可です。

※ 私は、普通に買いましたが・・・

Web割でWebサイトの割引券提示で100円割引です。

www.suntory.co.jp携帯サイトの割引券画面提示、国立新美術館森美術館の企画展チケット提示でも100円引きです。(割引は組み合わせ出来ません。どれか1つの方法で100円引きまでです)

しまった・・・、私としたことが、クーポンがあることを忘れていた。


(7) 混雑状況

人気はありますが、混んではいません。普通です。ゆっくり見られます。


(8) 写真撮影

NGです。 


(9) ミュージアムショップ

きれいなミュージアムショップがあり、今回の企画展だけでなく、和テイストの商品が多数あります。クレジットカード利用OKです。

私は個人的に、仏像や彫刻などの立体のときは、絵ハガキなどの写真(2次元)は、あまり買わないので(なんとなく、自分でも気づかないこだわりなのでしょうか)、今回は何も買いませんでした。でも、550円のポケットのあるクリアファイル。欲しかったなぁ。今更ながら、少し後悔。

 

(10) 美術館メモ

東京ミッドタウンの中にありますので、食事や買い物なども一緒にできます。六本木の街中なので、六本木で食事や買い物も良いでしょう。私としては、この周辺は、とにかく見たい美術館が多数あります。国立新美術館森美術館(六本木ヒルズ)、ちょっと歩けば泉屋博古館(溜池山王・六本木一丁目)等々。東京ミッドタウンの敷地には現代アートの21_21 DESIGN SIGHTもあります。 いろいろなところを廻るつもりで計画するのも楽しみの一つです。


(11) 行くきっかけ

展覧会があることは、チラシミュージアム等々の、いつもの情報源で知っていましたが、行くことを決めたのは、はてなブログの関連記事をいくつか読んで、行く意志を固めました。

 

II. 展覧会所感

(1) 個人的な所感

パンフレットを見ると仏像中心に思えますが、必ずしもそうではなく、いろいろな仏教美術が展示されているというのが、私の所感です。なので、仏像は思っていたほど、多くないですが、名品を集中的に見られる、そんな印象でした。

このほかには、経典や天皇・将軍/大名などの手紙等、「書」にまつわる品々に目が行きました。

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(2) 展覧会の構成と気になる作品

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(ちょっと写真が雑ですが)

 

・第一章 聖宝、醍醐寺を開く

美術館入口から4階に上がり、展示会場に入ります。

まず、会場入り口に「如意輪観音坐像」(重文)が、私たちを出迎えてくれます。

パンフレットの表を飾っている仏様で、私的には、こちらにお会いできただけで、この展覧会に来た目的は果たせたと思ってます。

如意輪観音は、私なりに、ざっくり言うとみんなの苦しみを取り除き、御利益を与え、願いをかなえてくれる観音様(仏様はみんなそういう感じでしょうが)。座っている(坐像)か、右足を左足の上に乗せる(足を組むまでいかないけど、そういう形)「半跏(はんか)」の像ばかりとのことです。

仏教美術はいろいろな仏教の教義が根本にあり、それらが造形の意味にもつながっていて、それらを総合的に理解した上で鑑賞することも重要であると思いつつ、敢えて誤解を恐れずに思い切って逆のことを言うと、そういうものとは、まったく関係なく、ただただ直観に基づく、「この仏像好き!」というような感覚に強烈にとらわれることがあると思います。特に仏像は。で、こちらの仏像も、個人的には久々にそういう感覚に囚われました。

 

大きくはないのですが、ふくよかな顔、深い思索の中にいながら優しさを感じる眼、不自然さのない腕、滑らかに少し傾いた腰の動き。とにかく、仏像の体を構成する緩やかな曲線の一つ一つが滑らかで自然で、優美さを感じます。

 

このエリアでは他に聖宝の像(こちらも、生き生きとした素敵な像でした)、空海の筆による文書があります。

 

・第二章 真言密教を学び、修する

ここでは、密教特有の五大明王像の像と仏画が目を引きました。絵と仏像がまるでセットになっているような感じで、並んでいます。仏画(五大尊像)は国宝です。ここでは、仏像だけでなく仏画も多く展示されています。

 

  このあと、4階から3階に降りて、さらに展示会場は続きますが、4階から3階への階段を降りたところに、国宝「薬師如来および両脇侍像」が鎮座しており、ゆっくり鑑賞できます。

 

・第三章 法脈を伝える -権力との結びつき-

ここでは醍醐寺歴代の座主の絵が並び、天皇・将軍などの筆(手紙)等が展示されています。織田信長の黒印状も展示されていました。(織田信長の黒印状は10/15まで)

 

・第四章 義演、醍醐寺を再びおこす

最後は、醍醐寺・中興の祖である義演に関係する品々で、それは豊臣秀吉に関係する品々が展示されています。秀吉の「醍醐の花見」は義演との関係の中で実現しており、応仁の乱で荒廃した醍醐寺は、秀吉の帰依を受けて再興されています。その中で生まれた美術品が展示されています。 

  

(3) 最後に

ということで、最初の如意輪観音坐像に力を入れ過ぎて、他があっさりになってしまいました。好き勝手なことを書きましたが、あくまで一個人の意見ですので、ご容赦ください。(そういうブログなので。でも、間違いがあれば、教えてください)

さて、私が一目惚れした仏像のNo.1は京都太秦にある広隆寺弥勒菩薩半跏思惟像です。国宝第一号で教科書にも載っていて、日本で一番有名な仏像の一つだと思います。でも、もちろん学生のとき、教科書を見て萌えたのではなく、だいぶ経って社会人一年目だったかのとき、広隆寺に実物を見に行って、その、たおやかさ、やさしい姿に魅了されたのを覚えています。それから、何度も京都に行きましたが、行けるときは必ず弥勒菩薩半跏思惟像に会いに行くようにしています。

仏像は、やっぱり生で見ないと伝わらない何かがあって、でも、一度、魅了されると離れられない、会いに行かずにはいられない、そういう不思議な力があると思います。その仏像にそれを感じるか、それは人それぞれでしょうが、私は今回は如意輪観音坐像でした。是非、醍醐寺を訪れたいと思いました!

そんな「出会い」を求めに展覧会(加えて寺社巡り)に行くのも、楽しいと思います。

 

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(私も、会いたい)

 

・・・今度、一緒に行きましょう!(外に行ける?)ではでは。