こんにちは。
先週末、会社の仕事も無事終わり、帰りにナイトミュージアムに寄ってきました。
「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」
東京ステーションギャラリーで開催中です。会期末まで残り少ないですが、簡単ながらご紹介を。相変わらず、まとまりのない内容ですが、しばし、お付き合いください。
それでは、さっそく、展覧会場に!
※ 以下の記述は展覧会のパンフレット、作品説明、そのほかWeb上の解説等を参考に記述しています。また作品の写真は撮影許可された作品、パンフレット、美術館入り口の案内用モニターを撮りました。
[目次]
I.展覧会概要
(1)展覧会:「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」
ルート・ブリュックはフィンランドを代表するセラミック・アーティストとのことです。私は今回の展覧会を通じて初めて知りました。
1916年、オーストリア人の父、フィンランド人の母のもとに生まれ、幼少期をストックホルムで過ごします。(1999年没)
お父さんは蝶の研究家で画家でもあり、展覧会のタイトルにもなっている代表的な蝶の作品は、きっと、お父さんの影響を受けたのだと思われます。
学生時代は建築家を目指すも周囲の反対にあいグラフィックデザイナーに。そしてフィンランドの名窯・アラビア製陶所の目に留まり、美術部門に入所します。ここから数々の色鮮やかで詩的なルート・ブリュックの世界が展開されます。ルート・ブリュックのために陶器の色付けに使う数々の釉薬(ゆうやく)が開発されたとも言われています。
後年は立体的な大作、より抽象的な作品が多く残されています。
日本・フィンランド修好100周年、ルート・ブリュック没後20年を記念しての日本初の個展開催です。
(2) 会場:東京ステーションギャラリー(東京駅・丸の内北口)
※ 東京駅構内です。丸の内北口を出ましょう。
(3) 会期・開館時間・展示替等
2019/4/27(土)~2019/6/16(日) ※ あと1週間と少しです。
・休みは月曜ですが、6/10(月)は開館なので、この先休みなしです。(2019/6/7現在)
・開館時間は10:00~18:00。入館は30分前まで。
・金曜はナイトミュージアム!20:00まで開館です。(本日6/7、6/14が該当)
(4) 料金
・一般1,100円、大学生・高校生900円(中学生以下無料)
・東京駅でもらえる東京駅周辺美術館MAPを見せると100円OFFになります。
(5) 訪問時間と混雑状況
・5/31(金)の18:20頃に訪問。入場待ち等はありませんが会場内は、結構、混んでいました。これから会期末に向けて混む可能性が高いと思いました。時間に余裕を持って行かれることをおススメします。
・鑑賞時間は75分くらいでした。
(6) 美術館メモ
・3階、2階と展示がありますが、3階のみ写真撮影可能です。もともと、すべて写真撮影可能だったのですが、シャッター音がうるさいとの苦情から3階のみ、撮影可能になったようです。この辺は、気を付けたいものです。(私も写真は撮るので、自戒します)
・きれいなミュージアムショップがあり、カタログ、絵ハガキ、グッズ等が販売されています。(今回は購入はしませんでした)
(7) 行くきっかけ(情報源等)
チラシミュージアムなどで展覧会があることは知っていましたが、最初は行くつもりはあまりなかったです。ただ、中央線の車内ビジョン広告を見たり、ポスターをみたりとしているうちに興味がでてきました。最終的には日曜美術館のアートシーンで紹介されたこと、あとこちらのブログを見たこと、金曜日に会社が定時で終わったことが重なり、「行こう!」と決めました。
青い日記帳 ← こちらが、読んだブログです。
II. 展覧会所感
(1) 個人的な所感
会社帰りに、ちょっと寄ってみよう!という感じで気軽に行った展覧会でしたが、ルート・ブリュックの独特な世界観、釉薬の鮮やかな色、とても見ていて楽しい展覧会でした。日常の生活がモチーフ、宗教的なモチーフから創造される作品は、個人的にはシャガールにもつながるような素朴ながら、幻想的かつ詩的な世界観だと思いました。
後年の抽象的な作品は小さく、いろいろな「部品」を組み合わせて多様な世界を表現しているようで、ちょっとアール・デコ作品にも通じる感覚を得ました。
結構、作風が最初と最後でかなり異なっていて、ルート・ブリュックの作品の軌跡をたどれる展覧会だと思います。
(パンフレット表面)
(パンフレット裏面)
それでは、会場の中へ。
(2) 展覧会の構成と気になる作品
I 夢と記憶
写真撮影可能な3階です。
「茂みの少女」 1943年
「散髪」1947年
陶器の作品です。鳥はよく使われているモチーフでした。
II 色彩の魔術
こちらも写真撮影可能な3階です。
「ノアの方舟」1957年
「カレリアの鐘楼(アダムとイブ)」1952年
アダムとイブのところをアップで撮りました。
「母子」1950年代
母の像に子供が描かれています。母が子供を抱き慈しむ感じがします。このへんは宗教的モチーフの作品です。
「ライオンに化けたロバ」1957年
色鮮やかなライオンのお腹に「ロバ」が隠れています。
「ライオンに化けたロバ」1957年
色違いバージョンです。どちらも、メルヘンチックで印象的な作品でした。
「お葬式」1957-1958年
題は暗いのですが、棺の花やハートがとても綺麗で、まったく暗さを感じさせない、むしろ清らかさに満ちた作品だと思いました。
撮影可能エリアはここまでです。それでは、2階の展示室に
III 空間へ
こちらでは展覧会のタイトルにもなった蝶の作品が展示されています。パンフレット裏面にも蝶の作品は載っていますが、展覧会入口のモニターの写真が分かりやすかったので、こちらをご紹介します。
実際にみるととても色鮮やかで、釉薬の色の素晴らしさを感じました。1957年に蝶にまつわる多数の作品が残されています。
こちらも入口のモニターから。「黄金の深淵」1969年
抽象化していく過程にある作品です。同じような「部品」の組み合わせ方で複雑なデザインとして表現しているところはアール・デコに通じる印象を持ちました。
IV 偉業をなすのも小さな一歩から
やはり入口のモニターから。パンフレット裏面のにもあります「スイスタモ」1969年
V 光のハーモニー
このころは、抽象的かつ色も白・黒のモノトーンになります。特に白いレゴのような部品を組み合わせた作品は、光のあたる方向で陰が異なり、作品の「色」となり「表情」となる。モノトーンながら、光彩を感じる作品になっていると思いました。いろいろな色を使って詩的世界を構築し続けたルート・ブリュックがたどり着いた世界のような感じがしました。
(3) さいごに
個人的には初期から中期にかけた色鮮やかな作品が好きでした。特に蝶にまつわる作品は釉薬でないと出せない色の世界で魅了されました。絵として見ても、陶器の作品として見ても、抽象的立体作品として見ても、いろいろな見方で楽しめて、ルート・ブリュックの多種多様な世界に魅了される、そんな展覧会でした。なかなか奥深い!
それでは、最後にリンクです。
実は今日は有給休暇を取って、ゆっくり休んでいるところです。働き方改革の時代ですので。(奥様は仕事中ですが)
ところで、いよいよ梅雨になりましたね。雨で傘をさすのは面倒ですが、時には楽しみもあります。例えば、こんな花をみたとき・・・
カシワバアジサイ
それでは、ちょっと出かけてきます。
ということで、以上です。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ではでは。