映画偏食家のよろコンです。
映画偏食家=映画は好きだけど「好き嫌い」が激しく、特定の趣向に基づく映画しか見られない人(勝手に私が作った言葉です^^;)
その偏食傾向は一言で言えば
「怖い」映画はNG
というもの。血が吹き出たり、バンバン撃ち合ったり、人を切ったり刺したりという映画、ホラー、サスペンス、ヴァイオレンスはちょっと・・・
そんな映画偏食家が週末見た映画です。
「クレッシェンド 音楽の架け橋」@吉祥寺・UPLINKさん
(映画のサイト)
(映画館のサイト)
ネタバレしないように努力します。
でも、書き手の技量不足で、ネタがわかっちゃったら、ごめんなさいm(_ _)m
さて
・ストーリーは(映画・映画館サイトを参考に)
- いまだ紛争の絶えないイスラエルとパレスチナ。この二つの地域から若き音楽家を募ってオーケストラを編成、平和を祈念したコンサートを開催するというプロジェクトが立ち上がる。
- そのプロジェクトを引き受けた世界的指揮者・スポルク。彼にもこの二つの地域とは切っても切れない深い"因縁"が・・・
- オーディションの結果、選ばれた二つの地域の若き音楽家たち。最初はお互いをののしり、ぶつかり合い、まったく練習にならない・・・
- そんな"分断"された心の壁を取り除くべく、"マエストロ"スポルクはオーストリアに接するイタリア・南チロルでの3週間の合宿を敢行。
- 合宿中も激しくぶつかり合う若き音楽家たち。しかし、スポルクの働きかけと、ともに練習を重ねてゆくことで、徐々に壁は崩れ、心一つのオーケストラへと成長。
- やがて合宿も終わり、いよいよコンサートの直前、まさかの大事件発生。はたしてオーケストラの運命は・・・
・この映画はアルゼンチン出身で世界的指揮者、自身もユダヤ系でもあるダニエル・バレンボイムとパレスチナ系の米文学者エドワード・サイードが中東の障壁を打ち破ろうと1999年に設立した「ウェスト=イースト・ディヴァン管弦楽団」がモデルとのこと。
・映画序盤のパレスチナから検問を通り、オーディションに向かうシーンや、オーケストラの二つの地域の音楽家たちがお互いをののしり合うシーンでの発言内容など、とてもとても想像がつかない壮絶な現実があることがうかがい知れます。
・映画で流れるパッヘルベルの「カノン」、ドボルザークの「交響曲第9番<新世界から>第二楽章(「遠き山に日は落ちて」の曲)、ヴィヴァルディの「四季」から「冬」、ラヴェルの「ボレロ」等、耳なじみのある曲がその時々のシーンに寄り添い効果的に使われています。
・さいごの”大事件"からつながるラストシーン。単純ではないストーリーに単純ではない現実の過酷さが、そしてラストシーンに、その現実を乗り越えてでも実現できるという"希望"への確かな意志が練り込まれている、そう思いました。
「クレッシェンド」=音楽用語で「だんだん大きく」
私たちが望む平和な世界の実現は大きな困難が伴います。
今の世界情勢は「だんだん大きく」なるのが望まれた世界とは逆に向かう意志であると感じることがたくさんあります。
でも、そんな時だからこそ、たとえ困難であっても私たちが望む平和な世界への意志を一人一人が大きくしていきたいものです。
この日、もう一本見た映画も「望む世界」へは「クレッシェンド」していなかったなぁ。(さて、その映画とは?こちらは、また別の機会に)
いかがでしたでしょうか?
今回もここまでお読みいただき、ありがとうございました!
いや~映画って本当にいいものですね。
さよなら、さよなら、さよなら
(UPLINK吉祥寺さんにて)