よろこんで!**してみました。

アラフィフ男子が、何気ない日常生活で楽しいと思うことを、つれづれに書く雑記ブログ。美術・落語・スポーツ観戦・グルメ・お酒に旅行等々。たまには、なにか語ることもあるかも・・・

落語:落語会「四人廻しの会」にまた行ってみました。(8/15)

さてさて、またまた、もう、一週間前の話になってしまいましたが、お盆の中日に、落語会「四人廻しの会」(よにんまわしのかい)に行ってきましたので、報告です。不定期の会ですが、珍しく二か月連続開催のような気がしますので、先月に引き続き、聴きに行ってきました。

 

[目次]

 

I. 落語会概要

(1) 日時

2018/8/15(火) 18:30開場、19:00開演(~21:10頃終了。開始一時間で10分ほど中入りあり)

前回同様に開場15分前くらいに着きましたが、今回の方が少し並んでいる人が多かったような気がします。もともと定員100名で、最終的に来られた方の人数は前回と同じくらい(90人前後)だと思います。前回も来ていたなぁ、という方も結構いらっしゃいました。リピーターが多いように思いました。

※ 昔は、お盆の中日は、人が少なかったけど、最近は逆に多いですねぇ、と白酒師匠が枕で言われてましたが、確かにそうですね。今と昔で変わったなぁと思います。

 

(2) 場所

日暮里サニーホール

※ 日暮里駅から徒歩2分くらい。ホテルラングウッドの4階

     日暮里サニーホール 荒川区公式ホームページ

寄席のようなホールではなく、宴会場のような場所に高座が作られ、椅子が並べられています。

高座は高く設置されているので、後ろでも比較的見やすいと思います。私達(会社の落語好きの同僚と今回も行きました)は、今回も前から5列目くらいに座っています。

 

(3) チケット代と入手方法

前売2,300円、当日2,800円

※ 今回も前売りで入手しました。購入方法は同じです。前売りは予約専用番号090-8689-7893の留守電に氏名・枚数・連絡先電話番号を録音します。その後、折り返しで予約専用番号から電話があり、応答すると予約成立です。落語会当日、名前を言って予約枚数を受け取り、お金を支払います。(現金のみ。カード不可)

折り返しの電話に出られないと、再度、かかってこないと思われますので、注意です。  また、折り返しの電話がいつ掛かるかも分からないので、やはり注意です。私の場合、また日曜日の夜23:00頃留守電に録音したら、今度は月曜の昼過ぎに電話が来ました。今回は1回目で電話に出たので、一発で予約成立となりました!

 

(4) プログラム(演者と演目)

・開口一番

(前座さん。お名前は三遊亭ぐんまさん。演目は「初天神」。ぐんまさんは言わずもがなの群馬出身。おばあちゃんの愛情タップリのお弁当がイナゴの佃煮だったという枕の話など、おもしろかったですよ。落語もおもしろかったですし、これからが期待です)

・三遊亭萬窓(さんゆうていまんそう)師匠 「夏の医者」

桃月庵白酒(とうげつあんはくしゅ)師匠 「黄金餅

(中入り)

柳家三三(やなぎやさんざ)師匠 「茄子娘」

・入船亭扇好(いりふねていせんこう)師匠「牡丹燈篭 お札はがし」

 

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(5) 落語会トピック

 この落語会は、前回も記述のとおり、チケット情報がぴあやイープラスなどには掲載されておらず、また、チケットもコンビニ等で買えない、激レアな感じの落語会(オーバー?)ですが、一回見たら、また見たくなります。これだけのメンバーでそれぞれ25分から30分くらいの話をたっぷりと聞かせる。普通の寄席ならトリを4人分見てしまうような、ぜいたくな内容だと思います。それぞれの落語家さんの特徴は違いますが、これが、それぞれの方の芸であり、たっぷり堪能できる感じがします。このメンバーでこのチケットのお値段。お金のことを言うとゲスかもしれませんが、安いです。

不定期開催なので、予定は逐次チェックしていないとなのですが、残念なことに今年はこれで最後とのこと。(なにやらホールと演者の方のスケジュールが合わなかったとか)早くも今年見納めということで、じっくり見てきました。

 

II. 所感

(1) 三遊亭萬窓(さんゆうていまんそう)師匠 「夏の医者」

 「夏の医者」は、ある田舎での話。お父さんが病気になり、お医者さんに見せたいが、村には医者がいなくて困っている息子がいます。そこに叔父さんがが訪ねてくると「隣村に杉田なにがしとかいう名医がいる。そこにお願いすればよい」とアドバイス。隣村といっても山を越えたところで、さっそく、息子は山を越えて杉田先生に往診をお願いします。杉田先生と二人山を登り、一休みしていると、突然周りが真っ暗に。よく見るとウワバミ(=大蛇)に二人とも飲み込まれてしまいます。はてさて、どうやって外に出るものか。先生、一計を案じ、自分の薬篭(やくろう=薬箱)から下剤を取り出し、ウワバミのお腹に巻きちらします。たまったものじゃないのは、このウワバミ。お腹を下し、のたうち回って、とうとう飲み込まれた二人は、ウワバミのお尻から外に出てこられます。急いでお父さんの往診のため家に戻ると先生の薬篭がない。はっと気がつくと、どうもウワバミのお腹の中に置いてきたとのこと。先生、急いで山の中のウワバミのところに戻り、もう一度、自分を飲み込むようにお願いしますが、さてウワバミの反応は・・・、というような話です。

三遊亭萬窓師匠は、私が一番、見に行っている落語家さんですが、やはり、本格派ですね。あまり極端に時事ネタで笑わすような感じではないのですが、その語りで話の世界に私たちを引き入れる、そんな感じがします。とても分かりやすいですし、落語初心者の方が落語はどういうものかを味わう上でも、とても良い噺家さんだと思います。

 

(2) 桃月庵白酒(とうげつあんはくしゅ)師匠 「黄金餅

こちらの話は、とある貧乏長屋の願人坊主(がんにんぼうず=家々を回って願をかけてはお布施をもらった乞食僧とのこと)の西念(さいねん)さん。托鉢をして食をつないでいたが、体調が思わしくない。隣に住んでいる近所の行商・金兵衛さんが見舞いに行って、何か食べたいものはないかと尋ねるとあんころ餅が山ほど食べたいとのこと。金兵衛さんがあんころ餅を買ってくると、今度は人が見ていては食べられないと言い出します。仕方がないので金兵衛さんは家に帰りますが、どうしても気になる。貧乏長屋の薄い壁の穴から様子をのぞき見すると、西念さんは何故かあんこだけを食べ始めます。これは奇妙だと思っていると、今度は餅に密かにため込んでいたお金を詰め込み、飲み込み始めた。金兵衛さんが驚いていると、西念さんは餅をのどに詰まらせる。慌てて介抱にいくも、西念さんはそのままあの世まで。さあ、お腹の中にはたくさんのお金が入っている。これを何とか取り出そうと、金兵衛さんはいろいろと策略を練ります。まずは、身寄りのない西念さんの身元引受人になり、葬儀の手配。夜中に知り合いの麻布の貧乏寺へ仏様を担ぎ込む。酔っぱらっていた住職がお経もそこそこに済ますと、今度は焼き場に。いよいよ西念さんが焼き場で焼かれた後、金兵衛が取った行動は・・・

桃月庵白酒師匠はこの日も枕で世間を切りまくって、さっそく爆笑でした。徳島の阿波踊りの件(前回も高円寺の阿波踊りをいじってましたが、阿波踊りがお嫌い?)、ボクシング協会の某会長(これは、いい鴨ですね)、ユーチューブ(志の輔談春がユーチューブになぜupしないか等)に野球等々と、十分いじった後で、この話になだれ込みます。この話もなかなか怒涛の展開で、勢いもあって、本当に笑わせてもらいました。

 

(3) 柳家三三(やなぎやさんざ)師匠 「茄子娘」

このお話は私はNHKの「落語THE MOVIE」という落語に役者さんが口パクで演技した映像を重ねるという趣向の番組で演じられているのをみて、初めて聞きました。

(余談ですが、「落語THE MOVIE」は、最初は落語に映像が重なると少しうるさい感じもしていましたが、慣れてくると今度は落語家のしゃべりにあわせてものの見事に役を演じる役者さんに感心して、結局最後はハマって見ていました。場面を想像するのが落語の楽しみの一つではありますが、映像を見ながら聞くのも、これはこれでわかりやすくて面白いものです。もし興味がある方は、今後、特番があった時など、ぜひ見てみてください。ちなみにこの時の和尚さんはバイキングの小峠さん。茄子娘は久松郁美さんだったと思います。かなり適役です)

話は、東海道戸塚の宿から少し離れた禅寺の和尚さん。戒律を守り、独り身をとおし、寺で野菜などを作りながら質素に暮らしていました。この、和尚さんの好物が茄子。茄子を愛でて育てています。ある夏の晩、蚊帳に入って寝ようとすると一人の美しい娘が寺に来ます。聞くと、毎日育てている茄子の精。和尚さんが「育ったら菜(さい=おかず)にしてくれよう」というのを「妻(さい=つま)」にしてくれると勘違いして出てきます。和尚さんは優しく諭しますが、それでも恩返しがしたいとのこと。これを、快く受け入れ、娘に肩などを揉んでもらいます。すっかり心地よくなり、そろそろ寝ようとするとにわかに雨が降り出し(今ならゲリラ豪雨)、遠くで雷の声。その声が近くなったかと思うと轟くような雷鳴が響き渡る。娘は怖がり和尚の胸に。娘を抱く和尚の手にもグッと力が入る・・・(落語ではよくありますが、この夜は直ぐに明けて翌朝に(笑))

翌朝、和尚さんが起きると娘の姿はありません。あぁ夢か、夢とは言え仏に仕える身、娘と一夜をともにするとは修業が足りない、と和尚はこれから、修行の旅に出ます。旅に出て5年。ふと元の寺の近くに立ち寄った和尚。やはり寺が気になり寄ってみると荒れ放題。その姿を見て感傷に浸る和尚さんのところに5歳くらいの女の子がやってきて「お父さん」と呼びます。はて、和尚さんは何かの間違いと思い子供に訳を聞くと5年前の茄子の精との間にできた子とのこと。あぁ、あれは夢ではなかったと思い、誰に育ててもらったかを聞くと「一人で育ちました」。それを聞いた和尚さん、嘆息とともに最後に一言・・・

この話は、ちょっと長く書いてしまいましたが、本当、これだけの話(言い方が悪いですねぇ。私の印象です)です。この、たわいもない話で柳家三三師匠は、聴かせましたねぇ。和尚と娘の一夜のシーンでは思わず人を引き込む語りから、ちょっと外してみたり。本当に、実力はぴかイチ(私が言うのも僭越ですが)な噺家さんだと思います。枕も開口一番のぐんまさんの師匠・三遊亭白鳥さんをいじる(ディする)感じで、これもおもしろかったです。

(4) 入船亭扇好(いりふねていせんこう)師匠「牡丹燈篭 お札はがし」

夏ですからねぇ。夏らしく怪談です。結構、夏の寄席では聞きます。何年か前の夏、三遊亭萬窓師匠が演じられているのも聞きました。落語は笑うだけではなく、こういう怪談が演じられる場合もあります。この時は、笑うというより、噺家さんの語りにはまっていくという感じです。

牡丹燈篭は有名な怪談で、長い話でもありますが、今回の話をまとめると・・・(いろいろなまとめがありますが、今回の話をもとにまとめます)

萩原新三郎は普段は読書等をしながらその日を暮らす浪人。名家の生まれ不自由なく暮らしています。あるとき、叔父の紹介で訪れた先で旗本の娘お露に会います。お露をみた新三郎はお露のあまりの美しさに一目惚れ。お露も新三郎に一目惚れ。再会の約束をしますが、この後、なかなか叔父が新三郎のところに現れない。もとより人見知りの新三郎は一人ではお露に会いに行けない。叔父が来るのを待っていると、半年くらいして、叔父がひょっこり顔を出します。この叔父の話を聞いて驚きます。新三郎に恋い焦がれたお露は恋煩いで既に亡くなっていた。また、あとを追うようにお供のお米もなく亡くなったと聞かされます。にわかには信じがたい新三郎。するとある晩、カランコロンと駒下駄を鳴らす音。牡丹をあしらった灯籠をもったお米とお露が新三郎を訪ねます。お露に会えて嬉しくなった新三郎。二人を家に入れ、その晩は夜をともにします。この後も毎晩、新三郎を訪れるお露とお米の二人。しかし、この二人は実は幽霊。毎夜毎晩、墓から出て新三郎を訪れていたのです。このままでは命が危ないと、これを知った新三郎はお寺の和尚に相談し、家の入り口という入り口に和尚からもらったお札を張ります。そして和尚から渡された金無垢の尊像を肌身離さず持ち、念仏を唱えます。あくる日、新三郎の家を訪ねるお露とお米。いつもと違って新三郎の家に入れません。家に入れないことをお露に告げるお米。新三郎があきらめられないとをお米にすがるお露。二人は隣に住んでいる新三郎のお世話役の伴蔵(ともぞう)に、家の札を剥がすこと、金無垢の尊像を新三郎から引き離すことをお願いします。最初は世話になっている新三郎を案じて断っていた伴蔵。この幽霊と毎晩話しているところを妻のお峰に見られ、浮気を疑われます。お峰に二人が幽霊であって、毎晩来る訳を話すと最初は怖がっていたお峰ですが、幽霊とお金で取引をするように伴蔵をそそのかします。(女性って、すごいですよね。話の中のことですが)お峰にそそのかされた伴蔵はお露、お米と取引をし、商談成立。お札を剥がし金無垢の尊像を新三郎から遠ざけるs約束をします。翌日、伴蔵、お峰は新三郎を行水に入れ金無垢の尊像をほかの像とすり替え、とうとう家に張られた札を剥がし、お露とお米は新三郎の家の中に・・・

  また、長くなりましたが、こんな感じの話です。(書いているうちに調子に乗ったかも。読み飛ばして下さい)

 

入船亭扇好師匠は、今回二回目で、話も怪談でしたので、笑いはないですが、やはり姿が涼しげで粋な感じの噺家さんだと思います。たっぷり聞かせてもらいました。

  

(5) 総評

総評というか、これまで書いたとおりなのですよね。本当に聞き応えのある落語会です。今年は最後というのがもったいない。ぜひ、また見に来たいと思います。

ちなみに、柳家三三師匠は今日(といっても日にちが変わったので昨日7/21)から、池袋演芸場昼席で林家正蔵師匠と「ひまわり寄席」(どこにも書いてませんが、以前、見に行ったときはそう称していました)に出演されています。

また、三遊亭萬窓師匠は8/24(金) 18:30の池袋演芸場夜席で「萬窓百景」という独演会をされています。会社が終われば、これは聴きに行きたいですねぇ。(でも、池袋は少し離れているので、難しいかなぁ。頑張ろう)

 

www.ike-en.comもし、よろしければ池袋演芸場にも是非。

 

ということで、長くなりましたが、以上です。みなさん、おやすみなさい。

(今は草木も眠る丑三つ時(2:00am)です。たまたまですが・・・)