こんばんは。もう、お盆休みも終わった、もうすぐお盆休みも終わる、なんて人も多いのではないでしょうか。今度の土日が休みの最後なんて方、ぜひ、こちらの展覧会はいかがでしょうか?
[目次]
I.展覧会概要
(1)展覧会名称
チリティーイベント 第24回 秘蔵の名品 アートコレクション展
動物たちの息吹
(2) 場所
ホテルオークラ東京 アスコットホール(地下2階)
※ 今回は美術館ではなくホテルオークラさんのホールでの展覧会です。最寄り駅は神谷町が一番近いでしょうか。あとは六本木一丁目、虎ノ門からも歩けます。
この日は新宿でクレパス画展を見た後だったので、新宿から丸の内線に乗り、赤坂見附で銀座線乗り換えの溜池山王下車で、まずはアークヒルズのオーバカナル 赤坂(Aux Bacchanales)に。暑かったのでアイスコーヒーと私のいつもの楽しみのカスタード山盛りのパンを食べてから、展覧会に向かいました。
(美術展と直接関係ないですが、私の大好きなこのパンを紹介すると
です。たっぷりのカスタードが濃厚でクロワッサンのパンもサクサクでおいしいです)
(3) 会期
2018/7/30(月)~8/23(木) ※ 休館は無さそうです。
会期末まで、あとわずか。よろしければ、ぜひ。
(4) 開館時間
10:00〜17:30(入館は17:00までに)
(5) 訪問時間
2018/8/10(金) 14:50頃 鑑賞時間は50分程度です。
(6) 料金
大人1,300円、大高生1,000円、中学生以下無料
※ 私は、e-plusで買って、前売価格の1,000円でした。今も、e-plusは1,000円です。スマチケなので、スマホにチケットを表示して入場しました。なお、スマチケでも入場時チケットの半券はいただけます。
(7) 混雑状況
混んでません。やはり、オークラさんだけあって、上品そうな少しご年配の女性が多かったように思います。それでも、若いカップルや親子連れや、いろいろな方が来られています。
(8) 写真撮影
NGです。
(9) ミュージアムショップ
ミュージアムショップというわけではありませんが、関連グッズ販売エリアがあります。今回、カタログと、絵ハガキ1枚購入です。絵ハガキは一枚108円(税込み)です。
なお、カタログは展覧会名にあるようにチャリティなので現金で500円です。入口や展示会場にもカタログが置かれていて、募金箱のような箱にお金を入れて購入できます。
このほかにも、オークラさん特性のグッズや商品(アンパン5種で1,000円等)が買えます。
クレジットカード利用はチャリティのカタログ(500円)以外はOKです。
ちなみにカタログは、こんな感じ。
(10) 美術館メモ
こちらは、美術館ではなく、ホテルのホールです。まず、受付の方から案内の方、ショップの方はみんなホテルの方だと思います。とにかく丁寧な応対で、さすがです。美術館に来たというよりは、一流ホテルに来たという感じがして、気持ち良いです。
(11) 行くきっかけ
昨年、チラシミュージアムで、こういう展覧会があるということを知りました。去年は美人画でしたが、上村松園、鏑木清方、伊藤深水などから大正時代のビールのポスター画など、いろいろな絵が見られること、個人や企業が所蔵されている作品も多く、こういう機会がないと、一般で展示されないような作品もあり、テーマ性もあって、おもしろいと思いました。今年の開催を心待ちにしていて、チラシミュージアムで内容を確認して、行くことを決心しました。
II. 展覧会所感
(1) 個人的な所感
この展覧会は、年に一回、ホテルオークラさんが社会貢献活動の一環として、協力していただける個人・企業・団体さんに声をかけて開催している展覧会で、1994年(これも私の会社に入ったころ)から開催しているとのことです。昨年、初めて見に来たのですが、毎年テーマを変えて展示をしているようで、先に書いた展覧会開催の趣旨や、テーマに合わせて普段、目に触れないような作品などをオークラつながりで集めて展示するというコンセプトもおもしろいと思い、見に来ています。この4月に近くの泉屋博古館で木島櫻谷展をみて、その後、府中美術館の「リアル」展でも応挙の鯉などをみて、結構、動物画を見る機会が多く、そういう意味でも楽しみにして見に来ました。
(2) 展覧会の構成と気になる作品
・1章 田園の中の動物 西洋と日本
まず最初は西洋と日本の洋画を中心に田園風景の中の牛等の動物画が展示されています。中には神話を題材にしたヘルブラント・ファン・デン・エークハウトの「ユノ、ユピテル、そして牛に変身させられたイオ」というような絵もあります。この画家はレンブラントと同時期のオランダの画家で、ギリシャ神話をモチーフにした絵になっています。
日本のでは浅井忠「牛追い」は油絵で写実的に力強く描かれた大きな牛の存在感と、後ろから日傘をさしてついていく女性の様子がおもしろい対比になっていると感じました。また、伊藤小坡「山羊の乳」は日本画で、山羊の乳や、それを絞る女性の表情などが繊細で淡い色づかいで描かれていて、日本人同士の洋画と日本画の対比もおもしろいです。
・2章 動物画の魅力 江戸から近代へ
この章では日本画を中心に動物ごとにいろいろな作家の描いた絵が展示されています。
たとえば、犬であれば岸田劉生、長澤芦雪、円山応挙。猫であれば、菱田春草、藤田嗣治。それから虎は竹内栖鳳、岸竹堂ほか、という感じです。
今回の展覧会はホテルのある「虎ノ門」にちなんで「虎」をはじめとした動物画ということのようです。(ホントですかね。その辺はどちらでもよいですが^^;)
この中では、
- 小倉 遊亀「晴日」
緑の日本庭園のような風景の中に犬が休んでいる絵です。小倉遊亀が風景を描いているのも、あまり見ないので絵の全体の構図やモチーフも含め、見てみるのもおもしろいと思います。
ー 菱田 春草「黒猫」「柿に猫」
菱田春草の猫といえば、この黒猫ですよね。なんとも言えない毛のふんわりとした感じとちょっといたずらっぽい子の表情。「黒き猫」は最後の文展出品作で、何年か前に東京国立近代美術館で見ました。解説に書いていましたが、春草自身は猫をかわいがっていたわけではないようです。私は猫が好きで飼っていますので、こういう絵が描けるのに猫が好きではないというのが意外で、おもしろかったです。
ー 藤田 嗣治「猫」
今回、私が買った絵ハガキはこちらです。藤田は猫好きですよね。この絵は、親子の猫の表情がすごく優しい(特に子猫の表情)感じで、好きですね。良い絵だと思いました。
-山口 華楊「望郷」
京都市動物園のラクダを観察して描いたとのこと。こちらは、私はあまり見たことのない画家さんですが、動物画が得意とのこと。このほかに「黒豹」も展示されています。両方の絵とも柔らかな毛並みが繊細に表現されていますが、こちらのラクダは優しく、少しのんきな感じの表情が印象的で、黒豹は黒い毛並みの中で鋭く光る眼光が印象的な絵でした。
・3章 花鳥繚乱 美しき鳥たち
こちらは花鳥画をテーマに展示されています。展示の中でも特に好きだったのは
ー 石崎 光瑶「孔雀図」
金屏風に描かれています。まず、金屏風の背景の金泥の塗り方が、むらがなく、大変きれいであること、その上に羽を広げた孔雀(向かって左)と飛んでいる孔雀(向かって右)に描かれています。かなり大きな絵で、羽を広げた孔雀の絢爛さが表現されていると思います。
この章ではこの他に円山応挙、伊藤若冲にも多大な影響を与えた沈南蘋の「鴛鴦図」などが見られます。
(3) 最後に
会期は残りわずかですが、夏休みの終わりにホテルで美術鑑賞というのはいかがでしょうか。優雅な気持ちで絵が見られますよ。
ということで、以上です。